クローン病の症状や原因、治療を扱う専門HP
メディラシージャーナル

治療法
【手術】

手術の条件

手術

クローン病では、すべての方に手術が適応されるわけではありません。主に重症である以下のような場合に手術が適用されます。

  • 狭窄による通過障害
  • 大量出血
  • 消化器の壁に穴があく
  • 腫瘍形成
  • 貧血
  • 栄養障害による全身状態の不良

手術の方法


狭窄が起こっていて腹部に痛みがあって吐き気などがある、ろう孔(腸の潰瘍が癒着して隣の腸とトンネルのように通じてしまう状態)があって消化器症状や発熱があり、腎臓の機能にまで影響があると懸念される、腸の外側に炎症を起こして膿がたまる膿瘍がある、突然腸に孔があく穿孔があるといった場合には手術が考慮されます。栄養療法や薬物で症状がおさまらず、炎症が高度で発熱が続く場合も同様です。

クローン病の手術では、炎症がおこっている部分を小範囲に切除するのが一般的です。入院期間は症状や病態によってkとなりますが、2~4週間程度です。術後は症状が改善し、正常な生活をおくることができるようになります。ただ、クローン病の特徴として手術を行っても再発する可能性が残ります。また、短腸症候群といって腸が短くなることによって小腸から十分に消化・吸収が行われなくなり、経腸栄養や中心静脈栄養を在宅で継続して行う必要が有る場合もあります。医師とよく相談し、メリットデメリットをよく理解した上で手術に臨んで下さい。

手術の術式 内容
バルーン拡張術 内視鏡が到達できる短い狭窄の場合は、内視鏡の先端から出した細長い風船のようなカテーテルで、狭窄部分を広げます。
小腸切除 クローン病の病変がある部位を切除します。
大腸切除 小腸と同じく、クローン病の病変がある部位を切除します。病変が何箇所もある場合や広範囲な場合には、大腸全摘が必要になることがあります。直腸病変が高度な場合は、人工肛門を造設します。
腹腔鏡下手術 腹腔内に炭酸ガスを充満させ、カメラを挿入して小さな傷で行う手術です。適応が限られますが、術後の回復が早い、痛みが少ない、傷が小さいので目立たないといった利点があります。
人工肛門造設術 大腸を出す人工肛門と回腸を用いた回腸瘻があります。人工肛門では便がある程度固形になりますが、回腸瘻では水便から軟便になります。

再発した場合は、まず栄養療法や薬物療法を行い、必要に応じて再手術を行います。

人工肛門(ストーマ)について

人工肛門は、手術でつくられた新しい排泄口です。手術後の縫合不全で一時的に必要なとき、大腸をほとんど切除したときに造設されます。自分の意思で便意をコントロールできないために、装具といわれる便を受け取る袋が必要になります。

直腸病変の悪化や、吻合が腸管の状態でうまくできなかたとき、縫合不全を生じる可能性が高いときなどを理由にストーマを造設した場合は一時的ですが、さらに直腸肛門病変が悪化したり、直腸がんを合併して直腸切断をしたりすれば永久的なストーマとなります。

詳しいストーマの種類、管理の方法などについては、社団法人日本オストミー協会のHPに詳しく記載されていますのでそちらを参考にして見て下さい。

術後の合併症

手術後の合併症にはいろいろなものがあります。術後すぐに懸念されるのは、出血です。また、栄養状態不良、高齢者、免疫不全状態の場合は、創感染を起こす危険性が高くなります。タバコを常習している人は、痰が詰まって無気肺になることもあります。心臓が悪い人は心不全や肺水腫に注意が必要です。さらに、腸蠕動が回復しないことによる腸閉塞、静脈の流れが悪くなって血栓ができる静脈血栓症なども起こることがあります。

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